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  東京大学生産技術研究所 横川晴美研究室

 YOKOKAWA Lab. Institute of Industrial Science, The University of Tokyo


研究概要RESEARCH

これまでの主要な成果と今後10年に向けての展望

 新エネルギー・総合技術開発機構(NEDO)が実施している「固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発事業」の中の「固体酸化物形燃料電池の耐久性迅速評価方法に関する基礎研究」のプロジェクトリーダーとして産官学連携の下で
9万時間耐久性を迅速に見極める方法の確立を行い、参画スタックの耐久性向上のための改良に資する。
本研究を遂行するために、化合物物性、材料特性、電気化学的セル特性、スタック特性など複層する材料の両立性(化学的および機械的)についての構造的な考察を行い、劣化機構解明を集学的に行うための相互の関連を明らかにし、
さらに予測性を高めるためのシミュレーション技術と実機セルスタックの測定特性との相互関係を明らかにし、
全体的な進捗が滞りなく行われるようにコーディネーションを行う。
 異種材料界面の安定性評価などに優れる高温熱力学の手法を、低温での電気化学的デバイスにも適用できるように、種々の条件を検討し、高温化学と低温化学の共通点および相違点を明らかにし、適用性の拡大を図る。
 今後、固体酸化物形燃料電池材料についての理解を深めると共に、他のエネルギー変換機器の材料問題、特に界面での安定性評価について貢献できるのではないかと考えている。

主要な論文5編

  • H. Yokokawa, T. Horita, K. Yamaji, H. Kishimoto, T. Yamamoto, M. Yoshikawa, Y. Mugikura, K. Tomida,  “Chromium Poisoning of LaMnO3-Based Cathode within Generalized Approach,” Fuel Cells, 13(4), 526-535 (2013) 円筒横縞形スタックで用いられているランタンマンガナイト系空気極のクロム挙動を解析し、他のスタック(構造、材料が異なる)とのクロム被毒との相違点を明らかにするとともに、ガスタービンとのハイブリッドシステムでも想定される工学的な問題点をクリアしていることを明らかにした。 詳細へ
  • Jan Hayd, Harumi Yokokawa, Ellen Iverse-Tiffee, “Hetero-Interface at Nanoscaled (La,Sr)CoO3-δ Thin-Film Cathode Enhancing Oxygen Surface Exchange, J. Electrochem. Soc. 160(4), F351-F359 (2013) 600度前後で作用する空気極として注目を集めているLSC系について、その合成過程における還元雰囲気が113相と214相とのナノ界面を作ることに大きな寄与をしていることを熱力学的相平衡計算より明らかにした。詳細へ
  • H. Yokokawa, T. Horita, K. Yamaji, H. Kishimoto, M. E. Brito,  “Degradation of SOFC Cell/Stack Performance in Relation to Materials Deterioration,”  J. Korean Ceramic Society 49(1), 11-18 (2012) NEDOにおける信頼性向上プロジェクトの成果を詳述したもので、実機スタックで生じる劣化現象の解明などを行った。 詳細へ
  • Harumi Yokokawa, Katsuhiko Yamaji, M. E. Brito, Haruo Kishimoto, and Teruhisa Horita,  “General   Considerations on Degradation of SOFC Anodes and Cathodes to Impurities in Gases,” J. Power Sources 196(17), 7070-7075 (2011) 実機セル・スタックで見いだされた不純物に起因する劣化現象を、単一の現象のみ成らず複数の劣化現象を取りあつかうための一般的化を行い、特に不純物が関与する電気化学的2次反応が重要であり、揮発過程と凝縮過程とがどのように電気化学的進行するかが重要なポイントであることを指摘した。 詳細へ
  • H. Yokokawa, H. Tu, B. Iwanschitz, A. Mai,  “Fundamental Mechanisms Limiting Solid Oxide Fue lCell
    Durability,”  J. Power Sources 182(2), 400-412 (2008) 劣化に関する国際ワークショップでの講演・討議を元にして、どのような要因が劣化に結びつくかの理論的な検討と実際観測される劣化現象を総合的に論じたもので、これ以降の劣化研究の指針を明らかにした。
    詳細へ

現在の主な研究テーマ(4~5テーマ)

固体酸化物形燃料電池スタックの劣化機構解明と長期耐久性予測

リチウム電池材料の熱力学的考察

燃料電池/電解の熱力学的考察

熱力学データベースの拡張と応用技術の発展

バナースペース

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